Difference between revisions of "SALMONについて"
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− | + | また、SALMONは、ポスト「京」重点課題(7)「次世代の産業を支える新機能デバイス・高性能材料の創成」(CDMSI)のサブ課題B「光・電子融合デバイス」(平成27年10月〜平成32年3月)によりサポートされています。 |
Latest revision as of 13:22, 3 February 2018
Contents
SALMONとは
SALMONは、多様な光と物質の相互作用で起こるナノスケールの電子ダイナミクスに対して非経験的量子力学計算を行うオープンソース計算プログラムです。 計算は時間依存密度汎関数理論に基づいており、ノルム保存擬ポテンシャルを含む時間依存コーンシャム方程式を実時間・実空間で解きます。
SALMONは、2つの科学計算プログラム:筑波大学グループにより開発され結晶における電子ダイナミクスを記述するARTEDと、分子科学研究所グループにより開発され分子やナノ構造における電子ダイナミクスを記述するGCEED、を統合することで生まれました。このためSALMONは、孤立系と周期系両方の電子ダイナミクスを記述することができます。さらに、電子と光波電磁場の結びついたダイナミクスを記述することも可能です。
プログラムの実行にあたり、SALMONはLAPACKライブラリを含むMPI Fortran/Cコンパイラを必要とします。SALMONは、多くのプラットフォーム:x86-64 CPUを持つLinux PCクラスタ、Fujitsu FX100スーパーコンピューター、「京」コンピュータ、Xeon Phi (Knights Landing)を持つスーパーコンピューターを含む、で動作が確認され最適化されています。
SALMONでできること
SALMONは、孤立系(分子やナノ構造)と周期系(固体結晶)の両方の系における電子ダイナミクスを記述できます。 SALMONは、最初に初期配位を用意するために密度汎関数理論に基づく基底状態計算を行います。 そしてSALMONは、加えられた電場による誘起される電子ダイナミクスの計算を行います。 弱い瞬間的な外場を用いると、SALMONは線形応答:分子の分極率や固体結晶の誘電関数、を計算することができます。 パルス電場を用いると、SALMONは高強度超短レーザーパルスにより誘起される物質中の電子ダイナミクスを記述することができます。
基底状態計算
- コーン・シャム軌道とエネルギー
- 状態密度
- 射影された状態密度
- 電子局在関数
光学的性質
- 振動子強度分布(吸収スペクトル)
- 誘電関数
光に起因する電子ダイナミクス
- コーン・シャム軌道の時間発展
- 密度、カレント
- 励起エネルギー
- 励起キャリアの数密度
電子ダイナミクスと光パルス伝播の同時記述
- コーン・シャム軌道の時間発展とともに光パルス伝播
- パルス光から電子へのエネルギー移行
ライセンス
SALMONは、Apache License version 2.0 のもとで利用できます。
Copyright 2017 SALMON developers Licensed under the Apache License, Version 2.0 (the "License"); you may not use this file except in compliance with the License. You may obtain a copy of the License at http://www.apache.org/licenses/LICENSE-2.0 Unless required by applicable law or agreed to in writing, software distributed under the License is distributed on an "AS IS" BASIS, WITHOUT WARRANTIES OR CONDITIONS OF ANY KIND, either express or implied. See the License for the specific language governing permissions and limitations under the License.
GithubでのSALMON
SALMONの開発は、GitHub.comで行われています。
開発者のリスト
(アルファベット順)
- Isabella Floss (TU Wien, Austria)
- Yuta Hirokawa (University of Tsukuba, Japan)
- Kenji Iida (Institute for Molecular Science, Japan)
- Kazuya Ishimura (Institute for Molecular Science, Japan)
- Kyung-Min Lee (Max Planck Institute for the Structure and Dynamics of Matter, Germany)
- Katsuyuki Nobusada (Institute for Molecular Science, Japan)
- Masashi Noda (Institute for Molecular Science, Japan)
- Tomohito Otobe (National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology, Japan)
- Shunsuke Sato (Max Planck Institute for the Structure and Dynamics of Matter, Germany)
- Yasushi Shinohara (University of Tokyo, Japan)
- Takashi Takeuchi (Institute for Molecular Science, Japan)
- Xiao-Min Tong (University of Tsukuba, Japan)
- Mitsuharu Uemoto (University of Tsukuba, Japan)
- Kazuhiro Yabana (University of Tsukuba, Japan)
- Atsushi Yamada (University of Tsukuba, Japan)
- Shunsuke Yamada (University of Tsukuba, Japan)
- Maiku Yamaguchi (University of Tokyo, Japan)
SALMON開発へのサポート
SALMONは、筑波大学計算科学研究センター及び分子科学研究所のサポートのもとで、SALMON開発者が開発を行っています。 SALMONは、JST-CREST研究領域「新たな光機能や光物性の発現・利活用を基軸とする次世代フォトニクスの基盤技術」の研究課題「光・電子融合第一原理計算ソフトウェアの開発と応用」(平成28年10月〜平成34年3月)によりサポートされています。 また、SALMONは、ポスト「京」重点課題(7)「次世代の産業を支える新機能デバイス・高性能材料の創成」(CDMSI)のサブ課題B「光・電子融合デバイス」(平成27年10月〜平成32年3月)によりサポートされています。