Difference between revisions of "エクササイス"

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(入力ファイル)
 
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=== エクササイス-1: C2H2分子の基底状態 ===
 
=== エクササイス-1: C2H2分子の基底状態 ===
このエクササイスでは、静的コーン・シャム方程式を解くことにより、アセチレン分子(C2H2)の基底状態計算を学びます。
+
このエクササイスでは、静的コーン・シャム方程式を解くことによりアセチレン分子(C2H2)の基底状態を求める計算を学びます。
このエクササイスは、分子やナノ粒子のような孤立した系に対して、SALMONを用いた計算を行う準備をどのようにすれば良いかを知るのに有用です。
+
このエクササイスは、分子やナノ粒子のような孤立した系に対して、SALMONを用いた計算をどのようにすれば良いかを知るのに有用です。
 
今のところ、SALMONで構造最適化を実行することはできないことに注意してください。
 
今のところ、SALMONで構造最適化を実行することはできないことに注意してください。
 
分子の原子位置はインプットファイルて指定され、計算の過程では固定されます。
 
分子の原子位置はインプットファイルて指定され、計算の過程では固定されます。
  
==== インプットファイル ====
+
==== 入力ファイル ====
 
コードを実行するために、以下のファイルが必要です。
 
コードを実行するために、以下のファイルが必要です。
  
Line 67: Line 67:
 
上記の3つのファイル(圧縮ファイル)は、以下からダウンロードできます:
 
上記の3つのファイル(圧縮ファイル)は、以下からダウンロードできます:
  
  [[media:C2H2_gs_input.zip| 圧縮されたインプットファイルと擬ポテンシャルファイルをダウンロード]]
+
  [[media:C2H2_gs_input.zip|圧縮されたインプットファイルと擬ポテンシャルファイルをダウンロード]]
  
 
インプットファイル''C2H2_gs.inp''では、ネームリスト変数が指定されています。それらの多くは、基底状態計算を実行するために必須です。それらの説明を以下に示します:
 
インプットファイル''C2H2_gs.inp''では、ネームリスト変数が指定されています。それらの多くは、基底状態計算を実行するために必須です。それらの説明を以下に示します:
  
  [[インプットファイルの説明(C2H2分子の基底状態)]]
+
  [[インプットファイルの説明(C2H2分子の基底状態)]]
  
 
あなたが計算をしたい他の系のためのインプットファイルを準備するのに、この情報は有用です。
 
あなたが計算をしたい他の系のためのインプットファイルを準備するのに、この情報は有用です。
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==== 出力ファイル ====
 
==== 出力ファイル ====
計算を実行した後、あなたがコードを実行したディレクトリに以下の出力ファイルが生成されています。
+
計算の終了後、あなたが計算を実行したディレクトリに以下の出力ファイルが生成されています。
  
 
{| class="wikitable"
 
{| class="wikitable"
Line 97: Line 97:
 
|}
 
|}
  
上記のファイル(バイナリファイル''C2H2_gs.bin''を除き、圧縮ファイル)は、以下からダウンロードすることができます:
+
上記のファイル(バイナリファイル''C2H2_gs.bin''を除いた圧縮ファイル)は、以下からダウンロードすることができます:
  
 
  [[media:C2H2_gs_output.zip|圧縮された出力ファイルのダウンロード]]
 
  [[media:C2H2_gs_output.zip|圧縮された出力ファイルのダウンロード]]
  
軌道エネルギーのような主要な計算結果は''C2H2_info.data''に含まれています。''C2H2_info.data''と他の出力ファイルは、以下で説明されています:
+
軌道エネルギーのような主要な計算結果は''C2H2_info.data''に含まれています。''C2H2_info.data''と他の出力ファイルの内容を以下で説明します:
  
  [[出力ファイル(C2H2分子の基底状態)の説明]]
+
  [[出力ファイルの説明(C2H2分子の基底状態)]]
  
 
==== 画像イメージ ====
 
==== 画像イメージ ====
Line 131: Line 131:
 
計算を実行するのに、線形応答計算のためのネームリスト変数とそれらの値を含むインプットファイル''C2H2_rt_response.inp''が必要です。
 
計算を実行するのに、線形応答計算のためのネームリスト変数とそれらの値を含むインプットファイル''C2H2_rt_response.inp''が必要です。
 
基底状態計算で生成したバイナリファイル''C2H2_gs.bin''と擬ポテンシャルファイルも必要です。
 
基底状態計算で生成したバイナリファイル''C2H2_gs.bin''と擬ポテンシャルファイルも必要です。
擬ポテンシャルファイルは、基底状態計算で用いたものと同じであることが必要です。
+
擬ポテンシャルファイルは、基底状態計算で用いたものと同じものを用いることが必要です。
  
 
{| class="wikitable"
 
{| class="wikitable"
Line 149: Line 149:
 
  [[media:C2H2_rt_response_input.zip|圧縮されたインプットファイルのダウンロード]]
 
  [[media:C2H2_rt_response_input.zip|圧縮されたインプットファイルのダウンロード]]
  
インプットファイル''C2H2_rt_response.inp''において、ネームリスト変数が指定されます。それらのほとんどは線形応答計算を行うため必須です。それらの説明を以下で行います。
+
インプットファイル''C2H2_rt_response.inp''では、ネームリスト変数が指定されています。それらの多くは、線形応答計算を実行するために必須です。それらの説明を以下に示します。
  
  [[インプットファイルの説明(C2H2分子の分極率と光吸収)]]
+
  [[インプットファイルの説明(C2H2分子の分極率と光吸収)]]
  
これは、あなたが計算を行いたい他の系のインプットファイルを準備するのに役立つでしょう。インプットファイルで用いることができるネームリスト変数の完全なリストは、ダウンロードファイルの''SALMON/manual/input_variables.md''にあります。
+
あなたが計算をしたい他の系のためのインプットファイルを準備するのに、この情報は有用です。 インプットファイルで用いることのできるネームリスト変数の完全なリストは、ダウンロードファイルのSALMON/manual/input_variables.mdにあります。
  
 
==== 出力ファイル ====
 
==== 出力ファイル ====
計算の実行後、コードを実行したディレクトリに以下の出力ファイルが生成されます。
+
計算の終了後、あなたが計算を実行したディレクトリに以下の出力ファイルが生成されています。
  
 
{| class="wikitable"
 
{| class="wikitable"
Line 166: Line 166:
 
|}
 
|}
  
上記の圧縮ファイルを以下からダウンロードできます:
+
上記の圧縮ファイルを以下からダウンロードすることができます:
  
 
  [[media:C2H2_rt_response_output.zip|圧縮した出力ファイルのダウンロード]]
 
  [[media:C2H2_rt_response_output.zip|圧縮した出力ファイルのダウンロード]]
  
出力ファイルの説明が以下に与えられています:
+
出力ファイルの内容を以下で説明します:
  
  [[出力ファイルの説明(C2H2分子の分極率と光吸収)]]
+
  [[出力ファイルの説明(C2H2分子の分極率と光吸収)]]
  
 
=== エクササイス-3: パルス電場を印加したC2H2分子における電子ダイナミクス ===
 
=== エクササイス-3: パルス電場を印加したC2H2分子における電子ダイナミクス ===
  
このエクササイスでは、時間依存コーン・シャム方程式を解くことによりパルス電場を印加したアセチレン(C2H2)分子に起こる電子ダイナミクスの計算を学びます。
+
このエクササイスでは、時間依存コーン・シャム方程式を解いてパルス電場を印加したアセチレン(C2H2)分子に起こる電子ダイナミクスの計算を学びます。
計算の出力として、時間の関数としての全エネルギーや電気双極子モーメントなどの量が計算されます。
+
計算の出力として、時間の関数としての全エネルギーや電気双極子モーメントなどの量が得られます。
このエクササイスは、[[#エクササイス-1: C2H2分子の基底状態|エクササイス-1]]で説明した基底状態計算を終えた後に行う必要があります。
+
このエクササイスは、[[#エクササイス-1: C2H2分子の基底状態|エクササイス-1]]で説明された基底状態計算を終えた後に実行する必要があります。
計算では、cos^2の包絡形を持つパルス電場が加えられています。パルス場を指定する強度、振動数、偏極の向き、キャリアエンベロープ位相などのパラメータは、インプットファイルで指定されます。
+
このエクササイスでは、cos^2の包絡形を持つパルス電場を用いています。パルス電場を特徴付ける強度、振動数、偏極の向き、キャリアエンベロープ位相などのパラメータは、インプットファイルで指定します。
  
==== インプットファイル ====
+
==== 入力ファイル ====
計算を実行するために、以下のファイルを用います。''C2H2.data''ファイルは、基底状態計算で生成されます。
+
計算を実行するのに、以下のファイルを用います。''C2H2_gs.bin''は、基底状態計算で生成されたバイナリファイルです。
擬ポテンシャルファイルは、基底状態計算で既に用いています。従って、パルス電場計算のネームリスト変数とその値を指定する''C2H2_rt_pulse.inp''が、ユーザが用意する必要のある唯一のファイルです。
+
擬ポテンシャルファイルは、基底状態計算で用いたものと同じものを持ちることが必要です。
 +
従って、パルス電場計算のネームリスト変数とその値を指定する''C2H2_rt_pulse.inp''が、ユーザが用意する必要のある唯一のファイルです。
  
 
{| class="wikitable"
 
{| class="wikitable"
Line 194: Line 195:
 
| ''H_rps.dat'' || 水素原子に対する擬ポテンシャルファイル  
 
| ''H_rps.dat'' || 水素原子に対する擬ポテンシャルファイル  
 
|-
 
|-
| ''C2H2.data'' || 基底状態計算で生成されたバイナリファイル
+
| ''C2H2_gs.bin'' || 基底状態計算で生成されたバイナリファイル
 
|}
 
|}
  
 
圧縮された''C2H2_rt_pulse.inp''ファイルを以下からダウンロードできます:
 
圧縮された''C2H2_rt_pulse.inp''ファイルを以下からダウンロードできます:
  
  [[media:C2H2_rt_pulse_input.zip| 圧縮ファイルをダウンロード]]
+
  [[media:C2H2_rt_pulse_input.zip|圧縮されたインプットファイルのダウンロード]]
 +
 
 +
インプットファイル''C2H2_rt_pulse.inp''では、ネームリスト変数が指定されています。
 +
それらの多くは、パルス電場により起こる電子ダイナミクス計算を実行するために必須です。
 +
それらの説明を以下に示します:
  
インプットファイル''C2H2_rt_pulse.inp''で、ネームリスト変数が指定されています。
+
[[インプットファイルの説明(パルス電場のもとでのC2H2分子)]]
それらのほとんどは、パルス電場により起こる電子ダイナミクス計算を実行するために必要です。
 
インプットファイルに現れるネームリスト変数の説明を、以下に与えます:
 
  
[[インプットファイルの説明(パルス電場のもとでのC2H2分子)]]
+
あなたが計算をしたい他の系のためのインプットファイルを準備するのに、この情報は有用です。 インプットファイルで用いることのできるネームリスト変数の完全なリストは、ダウンロードファイルのSALMON/manual/input_variables.mdにあります。
 
これは、あなたが計算をしたい、他のパルス電場や他の系に対するインプットファイルを準備するのに役立つでしょう。インプットファイルで用いることができるネームリスト変数の完全なリストは、ダウンロードしたファイル''SALMON/manual/input_variables.md''にあります。
 
  
 
==== 出力ファイル ====
 
==== 出力ファイル ====
計算を実行後、あなたが計算を行ったディレクトリに以下の出力ファイルが生成されます。
+
計算の終了後、あなたが計算を実行したディレクトリに以下の出力ファイルが生成されています。
  
 
{| class="wikitable"
 
{| class="wikitable"
Line 224: Line 225:
 
  [[media:C2H2_rt_pulse_output.zip|圧縮された出力ファイルをダウンロード]]
 
  [[media:C2H2_rt_pulse_output.zip|圧縮された出力ファイルをダウンロード]]
  
ファイルの説明が以下にあります:
+
出力ファイルの内容を以下で説明します:
  
  [[出力ファイルの説明(パルス電場のもとでのC2H2分子)]]
+
  [[出力ファイルの説明(パルス電場のもとでのC2H2分子)]]
  
 
== シリコン結晶(周期的な固体) ==
 
== シリコン結晶(周期的な固体) ==
Line 233: Line 234:
 
このエクササイスでは、ダイヤモンド構造を持つシリコン結晶の線形応答計算を学びます。
 
このエクササイスでは、ダイヤモンド構造を持つシリコン結晶の線形応答計算を学びます。
 
計算は、8個のシリコン原子を含む立方体の単位セルで行います。
 
計算は、8個のシリコン原子を含む立方体の単位セルで行います。
時間発展計算に比べて基底状態計算は計算時間がはるかに少ないため、両方の計算を連続して実行することにします。
+
時間発展計算に比べて基底状態計算は計算時間がはるかに少ないため、両方の計算を連続して実行します。
 
基底状態計算の終了後、単位セルの全ての電子に対して''z''方向に撃力の摂動を加えます。
 
基底状態計算の終了後、単位セルの全ての電子に対して''z''方向に撃力の摂動を加えます。
 
ダイヤモンド構造では誘電関数は等方的なため、計算された誘電関数は摂動の方向には依存しません。
 
ダイヤモンド構造では誘電関数は等方的なため、計算された誘電関数は摂動の方向には依存しません。
時間発展の間、単位セルの体積で平均を取った電子の流れが計算されます。
+
時間発展の間、単位セルの体積で平均を取った電子の流れの密度が計算されます。
電子の流れに対して時間と振動数のフーリェ変換を取ったものが、振動数依存伝導度を与えます。
+
電子の流れの密度に対して時間と振動数のフーリェ変換を行うと、振動数依存伝導度が得られます。
 
誘電関数は伝導度から通常の関係に従い得られます。
 
誘電関数は伝導度から通常の関係に従い得られます。
  
 
==== 入力ファイル ====
 
==== 入力ファイル ====
計算では、以下のファイルを用います:
+
計算を実行するのに、以下のファイルを用います:
  
 
{| class="wikitable"
 
{| class="wikitable"
 
| ファイル名      || 説明
 
| ファイル名      || 説明
 
|-
 
|-
| ''Si_gs_rt_response.inp'' || ネームリスト変数とそれらの値を含む入力ファイル          
+
| ''Si_gs_rt_response.inp'' || ネームリスト変数とそれらの値を含むインプットファイル          
 
|-
 
|-
 
| ''Si_rps.dat'' || シリコン原子の擬ポテンシャル
 
| ''Si_rps.dat'' || シリコン原子の擬ポテンシャル
 
|}
 
|}
  
圧縮された上記の2つのファイルを下記からダウンロードできます:
+
圧縮された上記の2つのファイルを以下からダウンロードできます:
  
  [[media: Si_gs_rt_response_input.zip|圧縮した入力ファイルと擬ポテンシャルファイルのダウンロード]]
+
  [[media: Si_gs_rt_response_input.zip|圧縮されたインプットファイルと擬ポテンシャルファイルのダウンロード]]
  
入力ファイル''Si_gs_rt_response.inp''で、ネームリスト変数が指定されます。それらのほとんどは、計算を行うために必須のものです。
+
インプットファイル''Si_gs_rt_response.inp''では、ネームリスト変数が指定されています。それらの多くは、計算を行うために必須です。
入力ファイルに現れるネームリストの説明を、以下で行います:
+
それらの説明を以下に示します:
  
  [[入力ファイルの説明(シリコン結晶の誘電関数)]]
+
  [[インプットファイルの説明(シリコン結晶の誘電関数)]]
  
これは、あなたが計算をしたい他の系の入力ファイルを準備するのに役立つでしょう。
+
あなたが計算をしたい他の系のためのインプットファイルを準備するのに、この情報は有用です。 インプットファイルで用いることのできるネームリスト変数の完全なリストは、ダウンロードファイルのSALMON/manual/input_variables.mdにあります。
入力ファイルで用いることができるネームリスト変数の完全なリストは、ダウンロードしたファイル''SALMON/manual/input_variables.md''にあります。
 
  
 
==== 出力ファイル ====
 
==== 出力ファイル ====
計算後、あなたが計算を行ったディレクトリに以下の出力ファイルが生成されます。
+
計算の終了後、あなたが計算を実行したディレクトリに以下の出力ファイルが生成されています。
  
 
{| class="wikitable"
 
{| class="wikitable"
Line 284: Line 284:
 
|}
 
|}
  
圧縮した上記のファイルを以下からダウンロードできます:
+
圧縮された上記のファイルを以下からダウンロードすることができます:
  
 
  [[media:Si_gs_rt_response_output.zip|圧縮した出力ファイルをダウンロード]]
 
  [[media:Si_gs_rt_response_output.zip|圧縮した出力ファイルをダウンロード]]
  
出力ファイルの説明は、以下にあります:
+
出力ファイルの内容を以下で説明します:
  
  [[出力ファイルの説明(シリコン結晶の誘電関数)]]
+
  [[出力ファイルの説明(シリコン結晶の誘電関数)]]
  
 
=== エクササイス-5: パルス電場を印加したシリコン結晶における電子ダイナミクス ===
 
=== エクササイス-5: パルス電場を印加したシリコン結晶における電子ダイナミクス ===
 
このエクササイスでは、ダイヤモンド構造を持つシリコン結晶の単位セルにおける電子ダイナミクス計算を学びます。
 
このエクササイスでは、ダイヤモンド構造を持つシリコン結晶の単位セルにおける電子ダイナミクス計算を学びます。
 
計算は、8個のシリコン原子を含む立方体の単位セルで行います。
 
計算は、8個のシリコン原子を含む立方体の単位セルで行います。
基底状態計算の計算時間は、時間発展計算よりもはるかに少ないため、両方の計算を一つのジョブとして実行します。
+
時間発展計算に比べて基底状態計算は計算時間がはるかに少ないため、両方の計算を連続して実行します。
基底状態計算を終えたのち、cos^2型の包絡形を持つパルス電場を加えます。
+
基底状態計算を終えたのち、cos^2の包絡形を持つパルス電場を加えます。
パルス場を特徴付けるパラメータである、大きさや振動数、偏極、キャリアエンベロープ位相などは、入力ファイルで指定します。
+
パルス場を特徴付ける強度、振動数、偏極の向き、キャリアエンベロープ位相などのパラメータは、インプットファイルで指定します。
  
 
==== 入力ファイル ====
 
==== 入力ファイル ====
計算を実行するため、以下のファイルが必要です:
+
計算を実行するのに、以下のファイルを用います:
  
 
{| class="wikitable"
 
{| class="wikitable"
 
| ファイル名      || 説明
 
| ファイル名      || 説明
 
|-
 
|-
| ''Si_gs_rt_pulse.inp'' || ネームリスト変数とそれらの値を含む入力ファイル          
+
| ''Si_gs_rt_pulse.inp'' || ネームリスト変数とそれらの値を含むインプットファイル          
 
|-
 
|-
 
| ''Si_rps.dat'' || シリコン原子の擬ポテンシャルファイル
 
| ''Si_rps.dat'' || シリコン原子の擬ポテンシャルファイル
Line 312: Line 312:
 
圧縮された上記の2つのファイルを以下からダウンロードできます:
 
圧縮された上記の2つのファイルを以下からダウンロードできます:
  
  [[media:Si_gs_rt_pulse_input.zip|圧縮された入力と擬ポテンンシャルファイルのダウンロード]]
+
  [[media:Si_gs_rt_pulse_input.zip|圧縮されたインプットファイルと擬ポテンンシャルファイルのダウンロード]]
  
入力ファイル''Si_gs_rt_pulse.inp''で、ネームリスト変数が指定されています。
+
インプットファイル''Si_gs_rt_pulse.inp''では、ネームリスト変数が指定されています。
それらのほとんどは、計算を行うために必須のものです。
+
それらの多くは、計算を行うために必須です。
入力ファイルに現れるネームリスト変数を、以下で説明します:
+
それらの説明を以下に示します:
  
  [[入力ファイルの説明(パルス電場のもとでのシリコン結晶)]]
+
  [[インプットファイルの説明(パルス電場のもとでのシリコン結晶)]]
  
これは、あなたが行いたい他の系の入力ファイルを準備するのに役立つでしょう。
+
あなたが計算をしたい他の系のためのインプットファイルを準備するのに、この情報は有用です。 インプットファイルで用いることのできるネームリスト変数の完全なリストは、ダウンロードファイルのSALMON/manual/input_variables.mdにあります。
入力ファイルで用いることのできるネームリスト変数の完全なリストは、ダウンロードしたファイル''SALMON/manual/input_variables.md''にあります。
 
  
 
==== 出力ファイル ====
 
==== 出力ファイル ====
計算後、あなたが計算を実行したディレクトリに以下のファイルが生成されています。
+
計算の終了後、あなたが計算を実行したディレクトリに以下の出力ファイルが生成されています。
  
 
{| class="wikitable"
 
{| class="wikitable"
Line 344: Line 343:
 
|}
 
|}
  
上記のファイルを圧縮したものを、以下からダウンロードできます:
+
圧縮された上記のファイルを以下からダウンロードすることができます:
  
 
  [[media:Si_gs_rt_pulse_output.zip|圧縮した出力ファイルのダウンロード]]
 
  [[media:Si_gs_rt_pulse_output.zip|圧縮した出力ファイルのダウンロード]]
  
出力ファイルを以下で説明します:
+
出力ファイルの内容を以下で説明します:
  
  [[出力ファイルの説明(パルス電場のもとでのシリコン結晶)]]
+
  [[出力ファイルの説明(パルス電場のもとでのシリコン結晶)]]
  
 
== マクスウェル+TDDFTマルチスケールシミュレーション ==
 
== マクスウェル+TDDFTマルチスケールシミュレーション ==
  
 
=== エクササイス-6: パルス光のシリコン薄膜の伝播 ===
 
=== エクササイス-6: パルス光のシリコン薄膜の伝播 ===
このエクササイスでは、シリコン結晶の薄膜を伝播するパルス光の計算について、学びます。
+
このエクササイスでは、シリコン結晶の薄膜を伝播するパルス光の計算を学びます。
??nmの厚さのシリコン薄膜を考え、数サイクルの直線偏光したパルス光を薄膜に垂直入射します。
+
数サイクルの直線偏光したパルス光を薄膜に垂直入射します。
最初、軌道関数を準備するため、基底状態計算を行います。
+
始めに、軌道関数の初期状態を準備するため、基底状態計算を行います。
パルス光は、薄膜の手前の真空領域に置きます。
+
また、パルス光は薄膜の手前の真空領域に置きます。
パルス光を特徴付ける、強さや振動数などのパラメータは、入力ファイルで指定します。
+
パルス光を特徴付ける、強さや振動数などのパラメータは、インプットファイルで指定します。
 
反射波や透過波が真空領域に到達したら、計算を終了します。
 
反射波や透過波が真空領域に到達したら、計算を終了します。
  
 
==== 入力ファイル ====
 
==== 入力ファイル ====
: 計算を実行するために、以下のファイルが必要です:
+
計算を実行するのに、以下のファイルを用います:
  
 
{| class="wikitable"
 
{| class="wikitable"
 
| ファイル名      || 説明
 
| ファイル名      || 説明
 
|-
 
|-
| ''Si_gs_rt_multiscale.inp'' || ネームリスト変数とそれらの値を含む入力ファイル    
+
| ''Si_gs_rt_multiscale.inp'' || ネームリスト変数とそれらの値を含むインプットファイル    
 
|-
 
|-
 
| ''Si_rps.dat'' || シリコン原子の擬ポテンシャルファイル
 
| ''Si_rps.dat'' || シリコン原子の擬ポテンシャルファイル
 
|}
 
|}
  
* 上記の2つのファイルを圧縮したものを、以下からダウンロードできます:
+
圧縮された上記の2つのファイルを以下からダウンロードできます:
  
  [[media: Si_gs_rt_multiscale_input.zip| 圧縮した入力ファイルと擬ポテンシャルファイルのダウンロード]]
+
  [[media: Si_gs_rt_multiscale_input.zip|圧縮したインプットファイルと擬ポテンシャルファイルのダウンロード]]
  
 +
インプットファイル''Si_gs_rt_multiscale.inp''で、ネームリスト変数が指定されています。
 +
それらの多くは、計算を行うために必須です。 それらの説明を以下に示します:
  
* 入力ファイル''Si_gs_rt_multiscale.inp''で、ネームリスト変数が指定されています。
+
[[インプットファイルの説明(シリコン薄膜のパルス光伝播)]]
それらのほとんどは、計算を実行するために必要です。
 
入力ファイルに現るネームリスト変数の説明を以下に与えます:
 
  
[[入力ファイルの説明(シリコン薄膜のパルス光伝播)]]
+
あなたが計算をしたい他の系のためのインプットファイルを準備するのに、この情報は有用です。 インプットファイルで用いることのできるネームリスト変数の完全なリストは、ダウンロードファイルのSALMON/manual/input_variables.mdにあります。
 
 
 
: これは、あなたが行いたいと考える系の入力ファイルを準備するのに役立つでしょう。
 
入力ファイルで用いることのできるネームリスト変数の完全なリストは、ダウンロードファイル''SALMON/manual/input_variables.md''にあります。
 
  
 
==== 出力ファイル ====
 
==== 出力ファイル ====
: 計算の後、あなたが計算を実行したディレクトリに以下の出力ファイルが生成されます。
+
計算の終了後、あなたが計算を実行したディレクトリに以下の出力ファイルが生成されています。
  
 
{| class="wikitable"
 
{| class="wikitable"
Line 409: Line 404:
 
|}
 
|}
  
* 上記のファイルを圧縮したものを、以下からダウンロードできます:
+
圧縮された上記のファイルを以下からダウンロードすることができます:
  
 
  [[media:Si_gs_rt_multiscale_output.zip|圧縮した出力ファイルのダウンロード]]
 
  [[media:Si_gs_rt_multiscale_output.zip|圧縮した出力ファイルのダウンロード]]
  
* 出力ファイルの内容を、以下で説明します:
+
出力ファイルの内容を以下で説明します:
  
  [[出力ファイルの説明(シリコン薄膜のパルス光伝播)]]
+
  [[出力ファイルの説明(シリコン薄膜のパルス光伝播)]]

Latest revision as of 18:21, 4 February 2018

はじめに

SALMONエクササイスへようこそ!

このエクササイスでは、SALMONの多岐にわたる応用をカバーする いくつかのサンプルを用いて、基本からSALMONの使い方を説明します。 以下では、UNIX/Linux OSの計算環境にあることを前提にします。 最初に、あなたの計算環境にSALMONをダウンロードしインストールすることが必要です。 まだ行っていない場合は、ダウンロードインストールと実行に従い作業してください。

インストールと実行で述べたように、SALMONを実行するためには少なくとも インプットファイルと擬ポテンシャルファイルが必要です。 以下では、いくつかのサンプル計算に対するインプットファイルを示し、そのインプットファイルに 現れるネームリスト変数の簡単な説明を行います。 そのインプットファイルを修正して、あなた自身が行いたい計算を実行することができるでしょう。 サンプルに含まれている元素の擬ポテンシャルも提供されています。 主要な出力ファイルの説明も行います。

以下では6つのエクササイスを紹介します。

最初の3つのエクササイス(エクササイス-1~3)は、孤立したアセチレン分子C2H2に対するものです。 もし孤立した系の電子ダイナミクス計算に興味がある場合は、これらのエクササイスをご覧ください。 SALMONでは、通常最初に基底状態計算を行います。 これは、エクササイス-1で説明します。 基底状態計算が終わったのち、2つの電子ダイナミクス計算が用意されています。 エクササイス-2では、分子の分極率と光吸収を得る 実時間での線形光応答計算を示します。 エクササイス-3では、 パルス電場が印加された分子における電子ダイナミクス計算を示します。

次の2つのエクササイス(エクササイス-4~5)は、結晶固体シリコンに対するものです。 もし無限周期系における電子ダイナミクス計算を学ぶことに興味があれば、これらのエクササイスをご覧ください。 周期系の計算では、小さな単位セルを持つ系の基底状態計算は容易であり、時間発展計算の方がはるかに計算時間がかかるため、 基底状態と時間発展の計算を一つのジョブとして実行することを推奨します。 以下の2つのエクササイスも、そのようになっています。 エクササイス-4では、結晶シリコンの誘電関数を得るための 線形応答性質の計算を示します。 エクササイス-5 では、パルス電場を印加した結晶シリコンにおける電子ダイナミクス計算を示します。

最後のエクササイス(エクササイス-6)は、バルクシリコンへのパルス光の入射と伝播に対して、 パルス光の電磁場に対するマクスウェル方程式と単位セルの電子ダイナミクス計算を結合したものです。 これは大きな計算時間を必要とするため、大規模並列スパコンの利用が推奨されます。 エクササイス-6で、 バルクシリコンの表面に垂直に入射する直線偏光パルス光の入射計算を示します。

C2H2 (孤立分子)

エクササイス-1: C2H2分子の基底状態

このエクササイスでは、静的コーン・シャム方程式を解くことによりアセチレン分子(C2H2)の基底状態を求める計算を学びます。 このエクササイスは、分子やナノ粒子のような孤立した系に対して、SALMONを用いた計算をどのようにすれば良いかを知るのに有用です。 今のところ、SALMONで構造最適化を実行することはできないことに注意してください。 分子の原子位置はインプットファイルて指定され、計算の過程では固定されます。

入力ファイル

コードを実行するために、以下のファイルが必要です。

file name description
C2H2_gs.inp ネームリスト変数とそれらの値を含むインプットファイル
C_rps.dat 炭素原子の擬ポテンシャル
H_rps.dat 水素原子の擬ポテンシャル

上記の3つのファイル(圧縮ファイル)は、以下からダウンロードできます:

圧縮されたインプットファイルと擬ポテンシャルファイルをダウンロード

インプットファイルC2H2_gs.inpでは、ネームリスト変数が指定されています。それらの多くは、基底状態計算を実行するために必須です。それらの説明を以下に示します:

インプットファイルの説明(C2H2分子の基底状態)

あなたが計算をしたい他の系のためのインプットファイルを準備するのに、この情報は有用です。 インプットファイルで用いることのできるネームリスト変数の完全なリストは、ダウンロードファイルのSALMON/manual/input_variables.mdにあります。

出力ファイル

計算の終了後、あなたが計算を実行したディレクトリに以下の出力ファイルが生成されています。

file name description
C2H2_info.data 基底状態の解の情報
dns.cube 電子密度のキューブファイル
elf.cube 電子局在関数(ELF)
psi1.cube, psi2.cube, ... 電子軌道
dos.data 状態密度
pdos1.data, pdos2.data, ... 射影された状態密度
C2H2_gs.bin 実時間計算で用いるバイナリ出力ファイル

上記のファイル(バイナリファイルC2H2_gs.binを除いた圧縮ファイル)は、以下からダウンロードすることができます:

圧縮された出力ファイルのダウンロード

軌道エネルギーのような主要な計算結果はC2H2_info.dataに含まれています。C2H2_info.dataと他の出力ファイルの内容を以下で説明します:

出力ファイルの説明(C2H2分子の基底状態)

画像イメージ

出力ファイルから作成されたいくつかの画像イメージを示します。

image files used to create the image
最高占有軌道(HOMO) psi1.cube, psi2.cube, ...
電子密度 dns.cube
電子局在関数 elf.cube

エクササイス-2: C2H2分子の分極率と光吸収

このエクササイスでは、時間依存コーン・シャム方程式を解いてアセチレン(C2H2)分子の線形応答を調べる計算を学びます。 線形応答計算は、分子の分極率や振動子強度分布を与えます。 このエクササイスは、 エクササイス-1で説明された基底状態計算を終えた後に実行する必要があります。 計算では、分子軸をz軸として、C2H2分子の全ての電子に分子軸方向に撃力的な摂動を加えます。 その後に、外場を加えることなく時間発展計算を実行します。 計算の途中で、電気双極モーメントを保持します。 時間発展計算の後、電気双極モーメントに対して時間-振動数フーリェ変換を行い、振動数依存分極率を得ます。 振動数依存分極率の虚部は、振動子強度分布と光吸収断面積に比例します。

インプットファイル

計算を実行するのに、線形応答計算のためのネームリスト変数とそれらの値を含むインプットファイルC2H2_rt_response.inpが必要です。 基底状態計算で生成したバイナリファイルC2H2_gs.binと擬ポテンシャルファイルも必要です。 擬ポテンシャルファイルは、基底状態計算で用いたものと同じものを用いることが必要です。

ファイル名 説明
C2H2_rt_response.inp ネームリスト変数とそれらの値を含むインプットファイル
C_rps.dat 炭素原子の擬ポテンシャル
H_rps.dat 水素原子の擬ポテンシャル
C2H2_gs.bin 基底状態計算で生成されたバイナリファイル

圧縮されたC2H2_rt_response.inpファイルを以下からダウンロードできます:

圧縮されたインプットファイルのダウンロード

インプットファイルC2H2_rt_response.inpでは、ネームリスト変数が指定されています。それらの多くは、線形応答計算を実行するために必須です。それらの説明を以下に示します。

インプットファイルの説明(C2H2分子の分極率と光吸収)

あなたが計算をしたい他の系のためのインプットファイルを準備するのに、この情報は有用です。 インプットファイルで用いることのできるネームリスト変数の完全なリストは、ダウンロードファイルのSALMON/manual/input_variables.mdにあります。

出力ファイル

計算の終了後、あなたが計算を実行したディレクトリに以下の出力ファイルが生成されています。

ファイル名 説明
C2H2_lr.data エネルギーの関数としての分極率と振動子強度分布
C2H2_p.data 時間の関数としての双極モーメントの成分

上記の圧縮ファイルを以下からダウンロードすることができます:

圧縮した出力ファイルのダウンロード

出力ファイルの内容を以下で説明します:

出力ファイルの説明(C2H2分子の分極率と光吸収)

エクササイス-3: パルス電場を印加したC2H2分子における電子ダイナミクス

このエクササイスでは、時間依存コーン・シャム方程式を解いてパルス電場を印加したアセチレン(C2H2)分子に起こる電子ダイナミクスの計算を学びます。 計算の出力として、時間の関数としての全エネルギーや電気双極子モーメントなどの量が得られます。 このエクササイスは、エクササイス-1で説明された基底状態計算を終えた後に実行する必要があります。 このエクササイスでは、cos^2の包絡形を持つパルス電場を用いています。パルス電場を特徴付ける強度、振動数、偏極の向き、キャリアエンベロープ位相などのパラメータは、インプットファイルで指定します。

入力ファイル

計算を実行するのに、以下のファイルを用います。C2H2_gs.binは、基底状態計算で生成されたバイナリファイルです。 擬ポテンシャルファイルは、基底状態計算で用いたものと同じものを持ちることが必要です。 従って、パルス電場計算のネームリスト変数とその値を指定するC2H2_rt_pulse.inpが、ユーザが用意する必要のある唯一のファイルです。

ファイル名 説明
C2H2_rt_pulse.inp ネームリスト変数とそれらの値を含むインプットファイル
C_rps.dat 炭素原子に対する擬ポテンシャルファイル
H_rps.dat 水素原子に対する擬ポテンシャルファイル
C2H2_gs.bin 基底状態計算で生成されたバイナリファイル

圧縮されたC2H2_rt_pulse.inpファイルを以下からダウンロードできます:

圧縮されたインプットファイルのダウンロード

インプットファイルC2H2_rt_pulse.inpでは、ネームリスト変数が指定されています。 それらの多くは、パルス電場により起こる電子ダイナミクス計算を実行するために必須です。 それらの説明を以下に示します:

インプットファイルの説明(パルス電場のもとでのC2H2分子)

あなたが計算をしたい他の系のためのインプットファイルを準備するのに、この情報は有用です。 インプットファイルで用いることのできるネームリスト変数の完全なリストは、ダウンロードファイルのSALMON/manual/input_variables.mdにあります。

出力ファイル

計算の終了後、あなたが計算を実行したディレクトリに以下の出力ファイルが生成されています。

ファイル名 説明
C2H2_p.data 時間の関数としての電気双極子モーメントの成分
C2H2_ps.data 電気双極子モーメントを時間-振動数フーリェ変換することで得られるパワースペクトル

圧縮された上記のファイルを以下からダウンロードすることができます:

圧縮された出力ファイルをダウンロード

出力ファイルの内容を以下で説明します:

出力ファイルの説明(パルス電場のもとでのC2H2分子)

シリコン結晶(周期的な固体)

エクササイス-4: シリコン結晶の誘電関数

このエクササイスでは、ダイヤモンド構造を持つシリコン結晶の線形応答計算を学びます。 計算は、8個のシリコン原子を含む立方体の単位セルで行います。 時間発展計算に比べて基底状態計算は計算時間がはるかに少ないため、両方の計算を連続して実行します。 基底状態計算の終了後、単位セルの全ての電子に対してz方向に撃力の摂動を加えます。 ダイヤモンド構造では誘電関数は等方的なため、計算された誘電関数は摂動の方向には依存しません。 時間発展の間、単位セルの体積で平均を取った電子の流れの密度が計算されます。 電子の流れの密度に対して時間と振動数のフーリェ変換を行うと、振動数依存伝導度が得られます。 誘電関数は伝導度から通常の関係に従い得られます。

入力ファイル

計算を実行するのに、以下のファイルを用います:

ファイル名 説明
Si_gs_rt_response.inp ネームリスト変数とそれらの値を含むインプットファイル
Si_rps.dat シリコン原子の擬ポテンシャル

圧縮された上記の2つのファイルを以下からダウンロードできます:

圧縮されたインプットファイルと擬ポテンシャルファイルのダウンロード

インプットファイルSi_gs_rt_response.inpでは、ネームリスト変数が指定されています。それらの多くは、計算を行うために必須です。 それらの説明を以下に示します:

インプットファイルの説明(シリコン結晶の誘電関数)

あなたが計算をしたい他の系のためのインプットファイルを準備するのに、この情報は有用です。 インプットファイルで用いることのできるネームリスト変数の完全なリストは、ダウンロードファイルのSALMON/manual/input_variables.mdにあります。

出力ファイル

計算の終了後、あなたが計算を実行したディレクトリに以下の出力ファイルが生成されています。

ファイル名 説明
Si_gs_info.data 基底状態計算の情報
Si_eigen.data 軌道のエネルギー固有値
Si_k.data k点に関する情報
Si_rt.data 時間の関数としての電場、ベクトルポテンシャル、カレント
Si_force.data 原子に働く力
Si_lr.data 誘電関数のフーリェスペクトル
Si_gs_rt_response.out 標準出力ファイル

圧縮された上記のファイルを以下からダウンロードすることができます:

圧縮した出力ファイルをダウンロード

出力ファイルの内容を以下で説明します:

出力ファイルの説明(シリコン結晶の誘電関数)

エクササイス-5: パルス電場を印加したシリコン結晶における電子ダイナミクス

このエクササイスでは、ダイヤモンド構造を持つシリコン結晶の単位セルにおける電子ダイナミクス計算を学びます。 計算は、8個のシリコン原子を含む立方体の単位セルで行います。 時間発展計算に比べて基底状態計算は計算時間がはるかに少ないため、両方の計算を連続して実行します。 基底状態計算を終えたのち、cos^2の包絡形を持つパルス電場を加えます。 パルス場を特徴付ける強度、振動数、偏極の向き、キャリアエンベロープ位相などのパラメータは、インプットファイルで指定します。

入力ファイル

計算を実行するのに、以下のファイルを用います:

ファイル名 説明
Si_gs_rt_pulse.inp ネームリスト変数とそれらの値を含むインプットファイル
Si_rps.dat シリコン原子の擬ポテンシャルファイル

圧縮された上記の2つのファイルを以下からダウンロードできます:

圧縮されたインプットファイルと擬ポテンンシャルファイルのダウンロード

インプットファイルSi_gs_rt_pulse.inpでは、ネームリスト変数が指定されています。 それらの多くは、計算を行うために必須です。 それらの説明を以下に示します:

インプットファイルの説明(パルス電場のもとでのシリコン結晶)

あなたが計算をしたい他の系のためのインプットファイルを準備するのに、この情報は有用です。 インプットファイルで用いることのできるネームリスト変数の完全なリストは、ダウンロードファイルのSALMON/manual/input_variables.mdにあります。

出力ファイル

計算の終了後、あなたが計算を実行したディレクトリに以下の出力ファイルが生成されています。

ファイル名 説明
Si_gs_info.data 基底状態計算の情報
Si_eigen.data 軌道のエネルギー固有値
Si_k.data k点に関する情報
Si_rt.data 時間の関数としての電場、ベクトルポテンシャル、カレント
Si_force.data 原子に働く力
Si_lr.data 様々な量のフーリェ変換
Si_gs_rt_pulse.out 標準出力ファイル

圧縮された上記のファイルを以下からダウンロードすることができます:

圧縮した出力ファイルのダウンロード

出力ファイルの内容を以下で説明します:

出力ファイルの説明(パルス電場のもとでのシリコン結晶)

マクスウェル+TDDFTマルチスケールシミュレーション

エクササイス-6: パルス光のシリコン薄膜の伝播

このエクササイスでは、シリコン結晶の薄膜を伝播するパルス光の計算を学びます。 数サイクルの直線偏光したパルス光を薄膜に垂直入射します。 始めに、軌道関数の初期状態を準備するため、基底状態計算を行います。 また、パルス光は薄膜の手前の真空領域に置きます。 パルス光を特徴付ける、強さや振動数などのパラメータは、インプットファイルで指定します。 反射波や透過波が真空領域に到達したら、計算を終了します。

入力ファイル

計算を実行するのに、以下のファイルを用います:

ファイル名 説明
Si_gs_rt_multiscale.inp ネームリスト変数とそれらの値を含むインプットファイル
Si_rps.dat シリコン原子の擬ポテンシャルファイル

圧縮された上記の2つのファイルを以下からダウンロードできます:

圧縮したインプットファイルと擬ポテンシャルファイルのダウンロード

インプットファイルSi_gs_rt_multiscale.inpで、ネームリスト変数が指定されています。 それらの多くは、計算を行うために必須です。 それらの説明を以下に示します:

インプットファイルの説明(シリコン薄膜のパルス光伝播)

あなたが計算をしたい他の系のためのインプットファイルを準備するのに、この情報は有用です。 インプットファイルで用いることのできるネームリスト変数の完全なリストは、ダウンロードファイルのSALMON/manual/input_variables.mdにあります。

出力ファイル

計算の終了後、あなたが計算を実行したディレクトリに以下の出力ファイルが生成されています。

ファイル名 説明
Si_gs_info.data 入力パラメータと、基底状態の計算結果
Si_eigen.data 基底状態計算での軌道エネルギー
Si_k.data k点に関する情報
Si_Ac_xxxxxx.data ある時刻における様々な量を、巨視的座標の関数として示す
Si_Ac_M_xxxxxx.data ある巨視的座標における様々な量を、時間の関数として示す
Si_Ac_vac.data 物質に隣接した真空の位置におけるベウトルポテンシャル
Si_gs_rt_multiscale.out 標準出力ファイル

圧縮された上記のファイルを以下からダウンロードすることができます:

圧縮した出力ファイルのダウンロード

出力ファイルの内容を以下で説明します:

出力ファイルの説明(シリコン薄膜のパルス光伝播)